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上田 正人; 坂本 義昭*
原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.31 - 39, 2006/03
核種移行に影響を及ぼす可能性がある地下水中の溶存腐植物質を濃縮法により採取し、採取した腐植物質の特性を確認した事例はわが国にはほとんどない。われわれは、深度約50mの地点から地下水を採水し、地下水中の溶存腐植物質を合成吸着樹脂を用いた濃縮法等により採取した。採取した腐植物質及びNordic腐植物質,Aldrichフミン酸などの標準的な腐植物質並びに採水した地下水について種々の特性データを取得し、比較検討を行った。この結果、採取した腐植物質及び地下水の紫外可視・蛍光スペクトル及びフミン酸/フルボ酸濃度比には有意な差がなく、本実験で採用した溶存腐植物質の一連の採取法が有効であることが示唆された。また、採取したフルボ酸の分子量分布,三次元蛍光スペクトル,赤外スペクトル,NMRスペクトルなど、腐植物質固有の特性は標準腐植物質と異なっていたが、アメリシウムとの錯生成において、腐植物質の分子量によらず一様に錯体を生成する点で地下水腐植物質とNordic腐植物質は同様の特徴を示した。これらの結果は、わが国の地下水中の溶存腐植物質が、放射性核種との錯生成に関して、既往の多くの研究で用いられている水系腐植物質であるNordic腐植物質と類似の特性を持つ可能性を示唆している。
松永 武; 長尾 誠也*; 武田 聖司; 上野 隆; 天野 光
第43回環境放射能調査研究成果論文抄録集,平成12年度, p.49 - 50, 2002/03
水環境における放射性核種の移行挙動の理解を進める目的で、チェルノブイル原子力発電所近傍の地域において、チェルノブイル事故により放出された放射性核種の河川水中の溶存形態について研究した。限外ろ過の手法を適用した野外環境での観測結果と、溶存化学種に関するモデル計算の結果、水中に溶存するPu,Amについては、高分子量の溶存有機物との錯体形成が、それら核種の溶存形態に大きな役割を一般に有していることが示唆された。
竹下 英文; 石田 一成*; 吉井 文男
放射線と産業, (90), p.19 - 23, 2001/06
最近絹を繊維以外の分野に応用する気運が高まっている。原研では絹の微粉末化と水溶化の研究を行っている。本稿では得られた成果と繭から絹を製造する工程について紹介する。繭はセリシンとフィブロインからなるが、通常はセリシンを除きフィブロインが絹の主成分である。照射効果の研究では絹くずを用いた。絹の微粉末化は、機械的粉砕のみでは困難であった。しかし、250kGy以上の照射の後ボールミル粉砕により径が100m以下の微粉末が得られた。微粉化粉砕では、分子量低下が起きるため、500kGy照射では60%が水に可溶になる。可溶成分の分子量は15,000~20,000である。絹は機能性のタンパク質であるため、生体適合性にすぐれており、本技術で得た材料は、化粧品や吸・放湿性、触感性を改善する添加剤としての用途が期待できる。
福本 雅弘; 西川 義朗*
JNC TN8400 2001-017, 355 Pages, 2001/03
TRU廃棄物処分研究における廃棄体中に含有される有機物の処分場の性能への影響評価の一環として、以下の7有機物について有機物の変質機構の中で重要と考えられるアルカリ加水分解の試験を行った。90C、91dまでのアルカリ加水分解試験の結果、各有機物が低分子量化し、有機物由来の分解物や変成物と推定される成分を溶液中に検出することができた。処分という長期間を考えた場合、各有機物は、今回確認したような分解生成物になると考えられる。確認した分解生成物を以下の各有機物の後に付記した。そのため、これら分解生成物についての放射性核種移行に与える影響評価が今後重要となる。(1)ナフタレンスルホン酸とリグニンスホン酸の混合系セメント用減水剤(ナフタレンジスルホン酸など)、(2)ポリカルボン酸系セメント用減水剤(末端メトキシポリエチレングリコールのオリゴマー)、(3)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩(EDTA)(EDTAから酢酸が脱離・環化した変成物)、(4)りん酸トリブチル(TBP)(DBP、n-ブタノール)、(5)ポリ酢酸ビニル(酢酸)、(6)ナイロン66(アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン)、(7)硬化したエポキシ樹脂(グリセロールポリグリシジルエーテル、カルボン酸)
幕内 恵三; Haque, M. H.*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 4(1), p.7 - 10, 2001/01
天然ゴムラテックスの放射線加硫では、タンパク質も放射線で変性し、抽出可能な水溶性タンパク質が増加する。このタンパク質の除去法として、希釈した放射線加硫ラテックスに水溶性ポリマーを添加し、遠心分離器で濃縮することが有効である。また、水溶性ポリマーの分子量も脱タンパク質に影響し、低分子量を効果が大きいことを前回報告した。今回は、低分子量水溶性ポリマーとして重合度が500のポリビニルアルコール(PVA)を使用し、加水分解度の影響を検討した。PVAの添加した放射線加硫ラテックスから流涎でフィルムを作製し、乾燥後フィルムを10分間水洗し、引張強さと伸びを測定するとともに残存タンパク質をBCA法で定量した。脱タンパク質効果は加水分解度の増加とともに増大した。また、引張強さと伸びは加水分解度の低下とともに減少した。この結果から、完全加水分解のPVAが本法に適していることがわかった。
坂本 義昭; 長尾 誠也; 小川 弘道; Rao, R. R.*
Radiochimica Acta, 88(9-11), p.651 - 656, 2000/09
被引用回数:11 パーセンタイル:59.78(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物の処分に際しては、アクチニドの地中での移行挙動を把握することが重要となる。この移行挙動は地下水に溶存している腐植物質の影響を受けることが知られている。本研究では、アクチニドの中で重要なネプツニウムを取り上げ、砂質土壌及び粉砕した花崗岩を詰めたカラム中での移行挙動に及ぼす腐植物質の影響について調べたものである。その結果、砂質土壌及び花崗岩の両者において、分子量の小さい腐植物質(フルボ酸)を添加した場合には移行が促進されたが、分子量の大きな腐植物質(フミン酸)を添加した場合には移行が遅くなる現象が観察された。これらの結果は、腐植物質自身の土壌等への吸着性能の違いなどを反映しているものと思われ、腐植物質のネプツニウムの移行挙動への影響は、その種類により異なることを明らかにした。
Pewlong, W.*; Sudatis, B.*; 竹下 英文; 吉井 文男; 久米 民和
食品照射, 35(1-2), p.54 - 58, 2000/09
絹タンパク質は優れた生理学的な特性を有しており、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。そこで、環境汚染防止及び資源のリサイクルに役立てることを目的に、絹タンパク質の放射線加工処理による改質効果に関する検討を行った。絹繊維は、500~2500kGyの照射で引張強度が低下し、とくに酸素存在下での劣化が著しかった。また、絹繊維は水に対して不溶であるが、放射線分解により著しく溶解性が増大した。照射した絹繊維を純水中で121、1時間加熱した場合、酸素中2500kGyで約40%が溶解した。また、0.5N HCl溶液で100、1hの加水分解を行った場合、未照射では約10%しか溶解しなかったが、酸素中2500kGyの照射では70%以上が溶解した。
皆川 雅朋*; 岡田 靖*; 野内 健太郎*; 佐藤 泰彦*; 吉井 文男
Colloid and Polymer Science, 278(8), p.757 - 763, 2000/08
電子線照射によるアクリロニトリルの包接重合を-78の低温で行った結果、以下の事実が明らかとなった。(1)重合収率は線量とともに増加し、70%で一定値に達した。(2)立体規則性は、線照射の包接重と同じようにアイソタクチック構造のものが得られた。規則性は重合収率に依存し、収率20%で70%、収率60%で50%のアイソ構造である。これは線の照射よりも低い。(3)分子量は収率に対し、50%に極大が現れた。最大の分子量は1.210である。(4)分子量分布は線量の増加とともに広くなる。
Pewlong, W.*; Sudatis, B.*; 竹下 英文; 吉井 文男; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.146 - 152, 2000/03
絹は重要な天然高分子資源の一つであり、タイにおける年間生産量1300トンは世界で五番目である。絹タンパク質は優れた生理学的な特性を有しており、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。そこで、環境汚染防止及び資源のリサイクルに役立てることを目的に、絹タンパク質の放射線加工処理による改質効果に関する検討を行った。絹繊維は500~2500kGyの照射で引張強度が低下し、とくに酸素存在下での劣化が著しかった。また、絹繊維は水に対して不溶であるが、放射線分解により溶解性が著しく増大した。照射した絹繊維を純粋中で121、1時間加熱した場合、酸素中2500kGyの照射で約40%が溶解した。0.5N HCl溶液で100、1時間の加水分解を行った場合、未照射では約10%しか溶解しなかったが、酸素中2500kGyの照射では70%以上が溶解した。
Darwis, D.*; 西村 健二*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Journal of Applied Polymer Science, 74(7), p.1815 - 1820, 1999/11
被引用回数:16 パーセンタイル:56.42(Polymer Science)生分解性ポリカプロラクトン(PCL)の加工性を改善するため、ペレット状PCLを室温で照射し、分子量、粘弾性、溶融張力を測定し、以下の事実を明らかにした。(1)30kGy程度の低線量照射により分枝構造が導入され、分子量が2倍に増加した。(2)粘弾性測定では、未照PCLは60Cで溶融切断するのに対し、15kGy照射からゴム弾性域が150Cまで広がり、成形加工温度域が大幅に改善できた。(3)分枝構造の導入により溶融張力も著しく増加した。このような溶融張力の改善から、これまで製造できなかった発泡体が製造できるようになった。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(2), p.30 - 47, 1999/02
最初に放射線橋かけの歴史を回顧し、ドールを先駆者に位置づけた。議論の多い、橋かけの場所については、NMRのデータを紹介し、ポリマー結晶部では起こりにくいことを解説した。ついで放射線橋かけの効率の求め方では、最近のSunやRojiakの方法を紹介した。さらに、放射線橋かけへ影響を及ぼす諸因子をあげ、照射条件では、線量率、雰囲気、温度の効果を論じた。ポリマーの性質では、ポリマーの化学構造、分子量、分子量分布、結晶化度の影響を述べた。実用上重要な橋かけの促進法については、促進剤の選択法とその作用機構とを紹介した。最後に、放射線ならではの橋かけとして、傾斜橋かけとポリマーブレンドの橋かけを解説した。
G.Wu*; 勝村 庸介*; 工藤 久明; 森田 洋右; 瀬口 忠男
J. Polym. Sci., Part A, 37(10), p.1541 - 1548, 1999/00
高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを、真空中において、室温~220C、室温~360Cの間で線照射し、架橋とガス発生の温度依存性を調べた。300Cまでは、架橋が優先し、ゲル化線量は高温になるにつれて低下した。架橋の確率の増加は、2重結合へのラジカルの付加が促進するためと考えられた。300Cを越えると、同一線量でゲル分率を比較すると、温度とともにゲル分率は低下し、360Cではゼロになった。分子量分布測定の結果、切断が促進されていることが示された。ガス発生の主成分は水素で、水素発生のG値は温度とともに大きくなり、発生量は線量に対して飽和する傾向にあった。C~C炭化水素の組成は、側鎖の構造に依存し、高温にすると不飽和炭化水素の生成が増大した。
玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武; 臼井 博明*; 小坂 篤史*; 佐藤 壽彌*
Polymer, 40(1), p.3061 - 3067, 1999/00
トリフェニルアミンメチルアクリレート薄膜を230Kから290Kの範囲のインジューム・スズ酸化物基板上に真空蒸着により作製した。エレクトロルミネッセンス素子の構築を目指して、この薄膜に引き続き真空中でUV光を照射し重合させた。真空中での薄膜の重合をフーリエ変換赤外反射吸収法により調べた。UV光の照射により重合率はほぼ100%に達した。基板温度が高い場合、重合時間は短縮されたが、薄膜表面の凹凸が増加した。重合のメカニズムはモノマー消費速度の次数からラジカル重合機構で説明が可能であった。数平均分子量はUV強度が減少するに従い増加した。
長澤 尚胤*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 久米 民和
食品照射, 34(1-2), p.37 - 42, 1999/00
各種多糖類の放射線による分解効果と、分解産物における各種生物活性の誘導効果について検討している。本報告ではアルギン酸ナトリウムを用いた結果を中心に、キトサン、カラギーナン、コンニャクマンナンなどほかの多糖類での結果も含めて報告する。アルギン酸のオオムギに対する生長促進効果を調べた結果、水溶液中90kGy照射試料で最も高い活性が得られた。アルギン酸は線量の増加とともに分子量が低下し、最も活性の高い90kGy照射の分子量は約7,000であった。また、植物生育促進のための最適濃度は150ppmであった。ほかの多糖類でも植物生育促進効果が認められるものがあり、分子量や構造の影響を検討中である。
坂本 義昭; 長尾 誠也; 田中 忠夫
JAERI-Research 96-055, 14 Pages, 1996/10
放射性廃棄物の安全評価においては、地下水での放射性核種の溶存形態が重要となる。地下水に溶存しているフミン酸は放射性核種と錯形成して、放射性核種の溶存形態に影響を及ぼすことが知られている。そこで本研究では、Np(V)の溶存形態に及ぼすフミン酸の影響として、フミン酸の分子量分布の影響について検討した。フミン酸及びNp(V)-humateの分子量分布を限外ろ過フィルターにより測定した結果、フミン酸の分子量分布がイオン強度により変化してもNp(V)-humateの分子量は主に10,000~30,000daltonsの範囲にあった。更に分子量毎にNp(V)-humateの安定度定数を測定した結果、10,000~30,000daltonsの分子量にあるNp(V)-humateの値が大きく、Np(V)とフミン酸の錯形成においては、このような特性の分子量にあるフミン酸とNpの相互作用が重要であることが示唆された。
工藤 久明; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 勝村 庸介*
Polymer, 37(21), p.4663 - 4665, 1996/10
被引用回数:21 パーセンタイル:64.98(Polymer Science)高分子材料の照射効果(放射線劣化)のLET依存性を調べるため、ポリメタクリル酸メテル(PMMA)とガラス繊維強化樹脂(GFRP)に、サイクロトロンからの高エネルギー(30, 45MeV)プロトンを照射し、3点曲げ試験、分子量測定、ガラス転移温度測定を行った。曲げ強度, 分子量, ガラス転移温度とも線量とともに低下したが、線量に対する挙動はCo-60ガンマ線に対するものと同じだった。Co-60ガンマ線30MeVプロトンの範囲では、LET効果は見られなかった。
田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; S.Ni*; 妹尾 宗明
放射性廃棄物研究, 3(1), p.41 - 47, 1996/08
0~130mg/lのフミン酸(HA)を共存させた条件下で、HAを良く収着するクロボク土へのCo、Sr及びAmのバッチ法収着実験を行った。また、これら核種と5000~30000、30000~100000及び100000MWの分子量に分画したHAフラクションとの反応性を調べるとともに、これら分画HAの官能基をFTIR及びNMRスペクトルから特定した。Co及びAmの収着平衡定数KはHAのそれより大きく、共存HA濃度が増すに従って小さくなった。一方、SrのKはHAより小さく、共存HA濃度に伴って大きくなった。これら核種は芳香族系のCOOH、OHを主な官能基とする30000~100000MWのHAと優先的に反応し、この分画フラクション中の核種濃度は、収着実験によって選択的に著しく減少した。これは、クロボク土への放射性核種の収着が30000~100000MWのHAによって制御されている可能性を示唆している。
工藤 久明; 笠井 昇; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
Radiation Physics and Chemistry, 48(1), p.95 - 100, 1996/00
被引用回数:18 パーセンタイル:80.24(Chemistry, Physical)ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ガラス繊維強化樹脂(GFRP)に77K及び室温でガンマ線照射し、発生ガス分析、分子量測定、ガラス転移温度測定などを行い照射効果の温度依存性を調べるとともに、力学特性が示した温度依存性との対応を調べた。分子量の低下、ガラス転移温度の低下は、77K照射では室温照射に比べ著しく小さくなっており、曲げ強度の温度依存性とよく対応した。ガス発生では、COとCOの発生量が低温で小さくなっていた。低温では分子運動性が小さいためにCOやCOの発生に伴う高分子の切断が少なくなっていると考えられた。
田中 忠夫; 妹尾 宗明
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1013 - 1020, 1995/00
フミン酸共存条件下において、Co、Sr、Cs、Np及びAmの砂質土壌及びクロボク土へのバッチ法による収着実験を行った。収着前後の液相を5種の分子量域に分画した。フミン酸との錯形性能が小さいSr、Cs及びNpの両土壌への収着量は、フミン酸の共存によって影響を受けなかった。フミン酸錯体を形成するCo及びAmの土壌への収着量は、フミン酸の共存によって減少した。この減少はCoよりAm、又クロボク土より砂質土壌で大きかった。各分子量のCo及びAmフミン酸錯体の液中濃度が、フミン酸を吸着しない砂質土壌の収着実験前後で減少し、錯体の解離が生じたことを示した。AmはCoより安定的な錯体を形成するので、フミン酸共存下で収着量がCoより減少したものと考えられる。
玉田 正男; 大道 英樹; 奥居 徳昌*
Thin Solid Films, 268, p.18 - 21, 1995/00
被引用回数:34 パーセンタイル:84.61(Materials Science, Multidisciplinary)赤熱フィラメントにより重合が誘起される蒸着重合法により、エレクトロルミネッセンス素子のホール移動層として利用可能なポリビニルカルバゾール薄膜の作製を試みた。赤熱フィラメントの存在下、N-ビニルカルバゾール(NVC)を100nmの厚みの銀をコーティングしたスライドガラス基板の上に蒸着重合した。蒸着重合とアニールの過程を赤外反射吸収法によりその場観察した。NVCはフィラメント温度が2300K、基板温度が266Kの場合、最もよく基板に付着した。上記条件で蒸着重合した薄膜を285Kでアニールすることにより、重合はさらに進行した。この製作により得られたポリビニルカルバゾール薄膜の数平均分子量は1.110で、重合収率は88%であった。